the Beautiful Escape

メガユキメノコ無限に待ってます

GSルール考察:先制技封じ編(ハギギシリ、アマージョ)

 ダブルバトルでおなじみの技といえばねこだまし。本来は相撲の技であり、由来は猫じゃらしを見せられた猫が驚いて立ちすくむことからだそうです。そのくせだいたいのにゃんこが習得できます。雰囲気重視ですね。魚がタコに進化する世界なので誤差です。

 

 ねこだましについて簡単におさらい。

 タイプ:ノーマル

 分類:物理(接触技)

 威力:40(Z技:100)

 命中:100

 効果:必ず先制でき、100%の確率で相手を怯ませる。ただし、出た最初のターンしか成功しない(優先度+3)。

 

 ねこだましの強みは、なんといってもその効果です。攻撃技の中で最も高い優先度を持ち、さらには確実に怯ませることができてしまいます。ダメージには期待できませんが、二体を動かすダブルバトルにおいて相手の動きを制限できることは大きなアドバンテージとなります。

 優先度というのは素晴らしいもので、ねこだましに限らず、優先度のある技はたいていそれだけで強いです。素早さ関係を無視して先に動けるので、遅いポケモンが速いポケモンを無傷で倒したり、逆にトリックルーム状態で速いポケモンが遅いポケモンを制圧することも可能です。代わりに威力が控えめなことが多いですが、神速や不意打ちなど、威力が高めの技もあります。疾風の翼ブレイブバードは第6世代で猛威を振るいましたね。

 しかし、それでは先制技を打つだけで有利じゃないかという話になります。もちろん先制技だけで勝てるわけではありませんが、先制技は状況を覆すだけの力があるわけで、できれば使われたくない技です。特に猫だましはお茶を濁すのに最適ですし。

 そこで登場したのがファストガード。1ターンの間、味方への全ての先制技を防ぐことができます(優先度+3)。嘘をつきました。フェイントで崩されますし、自分より速いポケモンの猫だましは止められません。使いどころが難しい技です。

 ならばと登場したのが、先制技を封じるフィールドと特性。フィールドは技で張ることもできますが、だいたいはこのポケモンで張るでしょう。

f:id:Ermes:20180704144114g:plain

 みんな大好きカプ・テテフですね。私はカプ・レヒレが好きです。種族値の全てがサーナイトの上位互換とかいうおかしいポケモンメガシンカすれば勝てます。特性はサイコメイカー。場に出た直後に、サイコフィールドを展開します。飛行・ふゆうなどの浮いているポケモン以外は先制技を受けず、またエスパー技の威力が1.5倍になります。カプ・テテフは非常に強力なポケモンであり、いくらでも考察の価値がありますが、大人気なのでわざわざここで考察する必要もないでしょう。というわけで今回はスルーします。

 

 本題はここから。先制技を封じる特性の方ですね。全く同じ効果ながら、二種類存在します。「じょおうのいげん」と「ビビットボディ」ですね。味方への先制技を無効化する技で、浮いているポケモンも対象です。

 

 まずは「じょおうのいげん」から。このポケモンが所持しています。

f:id:Ermes:20180704145357g:plain

 ポケモンSMから登場したSM嬢あたりをモチーフにしたであろうポケモンアマージョです。比較的攻撃的な種族値をしていますが、耐久もそれなりにあります。70族をちょっと抜かせる72族。GSルールで使い勝手のよさそうな技は、悩みの種やけたぐり、フェイントや蜻蛉帰り、そしててだすけあたりでしょうか。トロピカルキックで攻撃を下げることもできますが、挑発を恐れないなら甘えるでもいいと思います。襷がむしゃら+フェイントのコンボは特性と相性がいいので一考の余地があります。A補正無振りパワーウィップZであらゆるカイオーガが確1です。

 そこそこ優秀なポケモンですが、草単タイプであることが大きな痛手です。あちこちから抜群技を食らい、それなりの耐久もあまり意味を成しません。また、高いとは言えない素早さから、先制技に頼らずとも上から攻撃される可能性があります。ちなみに、夢特性はスイートベールであり、じょおうのいげんの知名度を活用して先制技対策をしながら催眠対策を兼ねることも可能です。

 

そしてもう一種類、「ビビットボディ」の持ち主がこちら。

f:id:Ermes:20180711004802g:plain

  なんとも鮮やかな色合いの魚ですね。名前はハギギシリ。その名の通り、歯軋りできそうな尖った歯がずらりと並んだ口をしています。もう一つの通常特性は「がんじょうあご」。キバ系の技を多く習得します。サメハダーといい、そろそろ水タイプの顎対応技を実装してあげて欲しいところです。威力が1.5倍になるのでかたいツメの相互互換のようにも思いますが、元の技威力が控えめであり、範囲の差が大きすぎるのでやっぱりかたいツメはズル。メガメタグロスを許すな。

 このポケモンのスペックについて見てみましょう。素早さはグラカイを抜ける92族。無振り無補正のアクテor熱湯Zでグラードンに確1が取れます。おさきにどうぞを覚え、スカーフを持たせることで先制技を封じながら隣のエース(範囲技を持つグラカイが主となるでしょう)を高速で動かすことができます。臆病スカーフテテフあたりには注意してください。また、トリックルームやサイドチェンジなど、猫だましに弱くなりがちな補助技を習得するのも強みです。よこどりによって追い風を奪い、上から殴ろうとする不届き者をとがめることもできます。いたずらごころ追い風そのものは止められないので妨害した後は早急に処理しましょう。そのほかにはサイコファングでリフレクターなどを後から破壊できるのは役に立つタイミングがあるかもしれません。このポケモン自身も両壁を覚えますが、その場合は素早さに多少の不安があります。実は金縛りを覚えるので、特に先制技を持つポケモンに対してさらに技の選択肢を狭めるように仕向けることができます。

 

 カプ・テテフが先制技対策として、火力や素早さなどほかの面でも優秀ではありますが、他のカプでフィールドを取られたり、自分の側も先制技が使えなくなったりと、完全に優位なわけではありません。ここはひとつ、普段注目されないポケモンを使ってみるのもアリではないでしょうか。GSルールという特殊なルールにおいて、何が活躍するかはまだまだ分かりません。世界大会の決勝ではしばしば、全く注目されていなかったポケモンが活躍していますからね。まだ来年のルールすら確定していない今だからこそ、いろいろと試すチャンスです。

 

 以上、「GSルール考察:先制技封じ編」でした。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。