the Beautiful Escape

メガユキメノコ無限に待ってます

GSルール考察:ワイドガード編

 GSルールといえば超火力。超火力といえばGSルール。高耐久でありながら火力にも期待できるのは禁止伝説ならではの魅力ですね。6世代のメガガルーラが禁止伝説と揶揄されたのはこれに起因するのでしょう。

 さて、GSルールにおいて特に強いのはホウエン組なのは誰の目にも明らかだと思います。特にグラカイはメガ枠を消費しないにも拘わらずアルセウス超えの数値を持つのだから弱いわけがない。レックウザはメガ枠こそ消費するものの、デルタストリームが優秀であり、挙句持ち物を持つことができるという壊れっぷり。この三体のせいでGSからバンギノオーが実質的に干されたのは誰もが知るところ。

 また、6世代で猛威を振るった禁止伝説といえば、他にはゼルネアスがいますね。持ち物や技がほぼ固定とはいえ、一度ジオコントロールを積んでしまえば半減ですら受けることを許さない超火力の持ち主となります。

 他にはホワイトキュレムなんかもある程度戦えていたかと思います。ほぼ重力吹雪一択ですが、高い特攻から放たれる氷技は充分に脅威であり、何より常に凍ってしまう可能性に怯えなければいけません。耐性がイマイチなのがネックですが。

 

 上に挙げた禁止伝説のうちレックウザ以外に共通することといえば、強力な範囲技(複数攻撃技)を持つことでしょう。グラードンに至っては2タイプ両方に存在しますね。範囲技は単体だけで見ればダブルダメージ補正によって威力が減衰(75%)しますが、両方に与えた場合のダメージ量の合計は同威力の技で単体を攻撃した時よりも大きく伸びます(150%)。ダメージ効率がいいわけですね。GSルールにおける一般枠なら、ランドロス地震ボーマンダハイパーボイスが比較的よく見られるでしょうか。メガサーナイトにもできることですね。

 範囲技の面倒なところは、防ぎにくいということです。片方が守ってももう片方はダメージをもらいますし、ハイパーボイスに至っては避ける可能性すらありません。メガサーナイトが強い所以です。両方守るか、空を飛ぶなりしないと対処は難しいです。

 しかし、第5世代に登場し、WCS2016でも活躍を見せたとある技を使えば、その問題を解決に導くことができます。ダブル勢なら常に意識しなければならない、GSならなおさら重要となる技。ワイドガードです。

 

 ワイドガードは範囲技限定の守るであり、その代わりに味方も同時に守ることができます。優先度は+3。猫騙しと同じなのでそこは注意ですね。第6世代から連打できるようになり、第7世代ではついに変化技も防げるようになりました。ひと世代遅かった。エレキネットや凍える風を防げるのは些細ながらおいしいところ。

 有名でありながらよくあるミスとして、ワイドガード後の守るは2連守ると同じ仕様ということですね。守る→ワイドガードは成功します。

 

 ワイドガードは強力ではありますが、それほど覚えるポケモンが多いわけではありません。最終進化系だけで見れば39種類のみ。猫も杓子も反復横跳びする時代に良心的なものです。

 以下では、それぞれのポケモンについて、簡単な紹介と考察をしていきたいと思います。

(※著者個人の視点からの考察であり、特に公平にジャッジするつもりはありません。あくまで参考程度に思ってください)

 

パラセクト

 タマゴ技。キノコポケモンなだけあってキノコの胞子を使えます。怒りの粉も使えます。耐久や耐性を考えるとモロバレルの方が基本的には優秀ですが、特性「かんそうはだ」によりカイオーガの前に無償降臨できる強みがあります。ほのお8倍は結局耐えないのでそこまで痛手ではありません。晴れのスリップダメージの方が痛いです。一応襷カウンターでレックウザグラードンを倒せる可能性がありますが、ダブルでのカウンターはあまり実用的とは言えません。相手を倒すのは他のパーティメンバーに任せて、補助に徹するのがよいでしょう。

 

・カイリキー

 レベル技。WCS2013,WCS2015シニア決勝で輝いたポケモン。ノーガード爆裂パンチが強力。根性型の可能性もあるのでうかつに状態異常にしたくないのも強み。格闘タイプということで環境は逆風ですが、一応バレットパンチを覚えます。また、ファストガードやなりきりも覚えるのでGSルールで活躍できるポテンシャルと思っています。

 

ゴローニャ

 タマゴ技。耐性がいまいちですが、レックウザは受けるだけならそこそこ相性のいい相手となります。特性に頑丈があるので襷枠を消費しなくてもいいところは強み。スキン大爆発は魅力的ですが、グラードンは無効、レックウザは特性によって半減となるので使いどころは難しそうです。ワイドガードにも引っ掛かりますし。吠えるを覚えるのでトリルやジオコン対策を兼ねることが可能です。リージョンフォームのみ、サイドチェンジと両立できます。

 

キングラー

 レベル技。反復横跳びもできるカニ。物理方面はまだしも、特殊方面はカミツルギよりはマシという程度なので後出しが難しいです。大体のポケモンが乱数1発(30%)の性能を持ちますがルナアーラに刺せないのが少し痛いところ。黒い霧を習得するのでゼルネアス対策や威嚇リセットなどに使える可能性があります。凍える風を採用するときは兼ね合いに気を付けて 。

 

サワムラー

 レベル技。夢特性のかるわざが優秀。ねこだましを覚え、なりきりを使えるポケモンです。特防は高めですがHPが低く、防御に関しては壊滅的です。後投げの際はできるだけ安全なタイミングで出してあげる必要があるでしょう。かるわざが発動してさえいればほぼ確実にねこだましより先にワイドガードを展開できることが強みでしょう。

 

バリヤード

 レベル技。サーナイトとタイプが同じですね。フィルターにより、弱点のダメージを軽減することができます。ファストガードも習得し、エスパータイプに由来する器用な技をいろいろと覚えます。スキルスワップやなりきりで特性を操作し、トリックルームや凍える風でS操作ができます。よこどりやサイドチェンジもできるので、技だけ見ればかなり優秀です。物理耐久の低さがネック。よこどりはジオコントロールを盗めないので注意。

 

プテラ

 タマゴ技。メガシンカによりそこそこの耐久を得られる高速ポケモン。数少ないフリーフォール習得者です。追い風を覚え、吹き飛ばしでトリックルームやジオコントロールを妨害できます。岩技に特性の補正が乗らないのがもったいない。メタグロスを許すな。メガ枠に余裕があれば採用してみるといいかもしれません。

 

ハガネール

 タマゴ技。特殊方面が薄い。メガシンカすると実質的に特性が死んでしまうのがつらい。ジャイロボールでゼルネアスを牽制できますが、カイオーガに強いナットレイあたりに軍配が上がってしまいます。差別化要因として吠えるがあります。何気に自己暗示も覚えますが、おそらく使うことはないでしょう。メガシンカしない方が頑丈で無理やり戦えるかと思います。

 

マンタイン

 レベル技。なぜかタマゴ技でも習得します。特殊耐久が高く、また特性が貯水であるため、かなりカイオーガに強いです。かみなりがないことは確認しておきましょう。プテラと同様追い風と両立でき、また黒い霧を覚えます。凍える風や手助けなどもあるので、サポーターとしては優秀な部類。グラードンにも繰り出せます。

 

ドーブル

 スケッチ。BIG6の一員でありWCS2016を催眠ゲーにした合計種族値250の怪物。ダークホールなど一部の技は実質的に使用不可能になりましたが、ほぼすべての技の組み合わせを実現できるポケモン。ムラっけによる運ゲーも開催する理不尽の塊。フィールドの登場、ダークホールの没収によりおそらく数は減りますが、この指で全体技を誘ってからのワイドガードを忘れがちなので注意。

 

カポエラー

 レベル技。Wolfe選手がよく採用しているイメージのあるポケモン。WCS2016でも大活躍しました。特性威嚇が優秀であり、火力こそ控えめですが耐久がそれなりに優秀。ねこだましと威嚇を両立しつつワイドガードを覚えるのはこのポケモンだけなので、パーティを圧縮したい時は役に立ってくれることが多いでしょう。ねこだまし/ワイドガード/フェイント/インファイトでだいたい完結している印象がありますが、手助けやなりきり、ファストガードも習得可能です。

 

ラグラージ

 タマゴ技。数少ない御三家での習得者。メガシンカすることでカイオーガとのシナジーが生まれます。あくびを覚えるので積み対策としてもある程度活躍できるでしょう。もちろん吠えるも覚えます。HPは高いですが、耐性の良さと高めの耐久力から、削れたあとのがむしゃらが狙いやすいという点もあります。凍える風や、ジュカインなどと組むことで誓いによってのS操作も可能です。

 

ペリッパー

 タマゴ技。7世代からあめふらしを獲得したポケモン。耐久と素早さはマンタインの方が上なので、使いどころが難しいです。特性も腐りがちです。しかし、7世代GSルールではホウエン伝説を採用しないパーティもそれなりに多く、引っ込んでも継続する雨というちょっとした個性があります。ダストシュートでゼルネアスに打点を持てなくはないですが圧倒的に火力が足りないのでお勧めはできません。また、白い霧しか覚えません。

 

ハリテヤマ

 タマゴ技。本来のねこだまし使い。ちからずく猫だましただの先制技になります。実は吹き飛ばしを覚え、なぜかしおみずも使えます。熱い脂肪で場持ちの良さを実現してもよし、根性型で催眠対策兼アタッカーとしての活躍も見込めます。ただし、後者はワイドガードサポーターとしてはシナジーが微妙です。なりきり習得可能。

 

ドダイトス

 タマゴ技。ラグラージと違って耐性があまりよろしくなく、夢特性により急所に当たらないものの、後出しも居座りもいまいち安定しません。悩みの種を覚える点は強みです。ゲッコウガなどと組むことで湿原誓いが打てます。吠える習得者。

 

トリデプス

 タマゴ技。頑丈によって無理やり居座れます。マジックコートを覚えるので何かしらの役に立つ可能性、浮いていないポケモンを乱数1発(30%)に持ち込める可能性を秘めています。挑発を覚えるのはあまり知られていないでしょう。上から打てないのであまり意味がありませんが。火力がないので使うならサポートに徹しましょう。怖い顔で単体S操作ができます。当然吠えられます。

 

エルレイド

 レベル技。唯一のワイドガードを封印できるポケモンルナアーラに弱いのが難点ですが、メガシンカすると猫だましが通らなくなるので使い勝手はいい方。サイドチェンジやトリックルーム、催眠術を使える。スキルスワップやよこどりも優秀。ガルーラより速くなれるのでファストガードの採用も現実的です。攻撃がかなり高いので、単純に猫だましの通らないアタッカーとしての運用も可能です。

 

ダイノーズ

 レベル技。タマゴ技でもある。トリデプスと同じタイプであり、同じ頑丈を持ちます。どちらも耐久寄りのポケモンですが、一応トリデプスはBが高く、ダイノーズはDが高いです。こちらの方が少し高く、合計種族値も高いです。重力やサイドチェンジを使えます。三色パンチをなぜか覚えられます。使うことはたぶんないですね。大爆発による自主退場が可能です。

 

レジギガス

 レベル技。ルナアーラの登場により、若干価値が上がった可能性があります。凍える風や重力などを使えます。自己暗示も覚えます。登場時から特性があんまりにもあんまりですが、耐久だけで見ればスイクンに匹敵しますし、格闘が減った現環境では悪くないかもしれません。ただしカポエラーガオガエン対策の格闘技に巻き込まれます。なんとか誤魔化して5ターン凌ぎきれば禁止伝説並みのエースとなりえるのは他のポケモンにはない強みです。ただし相手も分かっているので結構ヘイトを集めるとは思います。

 

ギガイアス

 タマゴ技。岩単タイプなので耐性は微妙です。新規獲得したすなおこしはGSでは使いにくいでしょう。素直に頑丈を選択するのが無難です。重力と大爆発ができます。そこそこAが高いので、置物にはなりにくいと思います。意外に軽いのでゼルネアスにヘビーボンバーはほとんど通りません。特殊耐久はなくはないですが砂が期待できないので心もとないです。

 

ローブシン

 タマゴ技。第5世代で暴れたコンクリ使い。特殊耐久が非常に残念ですが、物理は一応信頼できる程度はあります。技範囲があまり広くないうえ、サポート技に恵まれていません。岩石封じと手助け程度です。後者はあまり読まれないと思うので一応活躍の場はあるかもしれません。

 

・ナゲキ

 レベル技。HPが高いため、耐久はそれなり。ともえなげを覚えるので、ジオコンゼルネアスを投げていきましょう。確定急所のやまあらし、実は覚えるたたみがえし、固定ダメージのちきゅうなげと、なんとなく揃っています。とはいえ、たたみがえしはその性質上、トリックルームを張った後の初ターン程度でしか狙えないので実用的ではありません。

 

イワパレス

 タマゴ技。またもや頑丈。ワイドガード以外に目を引くサポート技に恵まれず、からやぶ岩石砲Zが一番現実的な可能性すらあります。むしくいで半分実を食べていきたいところ。

 

アバゴーラ

 レベル技。二連続の頑丈からやぶワイドガード。一応夢特性がすいすいですが、S種族値は絶望の32。こちらは凍える風が習得可能で、アクアジェットも使えます。

 

ママンボウ

 レベル技。いやしのこころは催眠対策になりえるかもしれません。夢特性は再生力。特殊方面が薄いですが、比較的使いまわしがきくポケモンです。マジックコート、凍える風を習得可能。いやしのねがいを使えるので、削れたエースをもう一度回復して呼び出せます。

 

コジョンド

 レベル技。ファストガードと両立できますが、コジョフー限定なので注意。精神力持ちのねこだまし持ち。ガルーラより速いので採用価値あり。とんぼ返りやサイドチェンジ、なりきりを覚えます。さきどりはうまくいけばグラードンに断崖を打ち込めます。

 

ギルガルド

 タマゴ技。Z技によりさらに強くなったポケモン。実質種族値720。聖剣でムラっけドーブルに強く出られます。道連れで牽制しながら動かすという芸当も可能。実はおさきにどうぞを覚えます。金属音で特殊サポートしてもいいですが命中不安。

 

クレベース

 レベル技。USUMからの新規習得。HPと防御はいいですが、特防が脆すぎるのが難点。そもそも氷単タイプという絶望的な耐性のなさが防御の高さすらかき消しかねないという悲しみを背負います。吠えるが使えます。おさきにどうぞを覚えるのでトリル対策に使えるかもしれません。

 

ケケンカニ

 タマゴ技。確定急所コンボのエースの一種。耐久値は悪くはないですが、氷・格闘という救いのない複合タイプ。モロバレルより遅ければトリルでモロバレルに強いエースとして輝けたかもしれない。火力はあるので、トリル軸に入れておいてZ枠にしてあげてもいいかもしれません。

 

ドヒドイデ

 レベル技。シングルの受けルにおける重要なコマ。フェアリー半減であり、耐久寄りの種族値かつ再生力を特性に持つので使い勝手はいいと思います。レッドカードを持たせたい。トーチカで接触技を牽制できるのもおいしい。黒い霧を覚え、よこどりやはたきおとす、いえき、マジックコートなど、結構いろいろな技を使えます。お先にどうぞもできます。特殊グラードンが怖いこと以外はそれなりに優秀かと思います。

 

オニシズクモ

 レベル技。重力状態のグラードンのメインウェポンを特性込みで両半減できる唯一のポケモンです。なかまづくりで特性を変えたり、パワーシェアで特に特殊アタッカーを弱体化することも狙えます。飛び掛かるは威嚇枠に不足を感じたら採用してもいいかもしれません。単体攻撃なので負けん気や勝気を避けながら能力を下げられます。エアロック状態にしてやればいとも簡単にグラードンを消し飛ばし、A特化ならH252カイオーガが雨下で乱数二発です。レックウザは無理です。ワイドガードが使えなくなりますが、突撃チョッキを持たせてHに努力値を振ることで特化ゼルネアスのC+2ムーンフォースを確定耐えします。そういえば、ミラーコート覚えるらしいですね。水技以外の火力はないに等しいので、凍える風などの追加効果が優秀な技を採用するといいかと思います。リフレクターが使えますが、素早さが低いため一手損です。

 

キテルグマ

 タマゴ技。もふもふで実質炎弱点なのが痛いです。カイオーガと組まない限りは緊張感のほうがいいかもしれません。ガルーラには強いのでパーティと相談でしょう。なりきりと吠えるを使えます。この見た目で挑発ができ、つぶらなひとみで疑似威嚇ができます。

 

グソクムシャ

 タマゴ技。天敵はTapu Lele。初手に限り優先度+2の高火力一致技が使えます。先制技が多くあるのでカプ・テテフを呼び、選出を多少縛れるかもしれません。先制技を打ってから危機回避を発動→エース降臨の流れが理想ですが世の中そううまくはいきません。被ダメージ計算がかなり重要になるポケモンかもしれません。むしのていこうを覚えますが、バークアウトもできます。命中安定かつタイプ一致なので抵抗推奨です。挑発も打てます。

 

バクガメス

 タマゴ技。 専用技の使い道が難しいポケモンホウエン伝説には全員通りが悪いです。ドラゴンテールが使えますが、一番帰らせたいゼルネアスには効きません。挑発できます。

 

ソルガレオ

 レベル技。ほぼメタグロス。吠えるを覚えますが吠えるまでもなく専用技でゼルネアスを倒せます。高速回復技を覚えるのは魅力。見た目が動物系の炎タイプっぽいせいかフレアドライブワイルドボルトを習得できるので役割破壊Zの範囲が広いです。トリックルームを覚えます。全然メタグロスじゃないですね。

 

ルナアーラ

 レベル技。第7世代GSにおけるトップメタになりえる性能の持ち主。弱点は四倍弱点が2つのみという尖り具合。追い風もトリックルームも覚え、見た目のせいか羽休めを習得します。催眠術の使い手でもあります。実は吠えられます。ゴーストタイプらしく鬼火を覚え、フェアリー技であるムーンフォースマジカルシャインも覚えます。こちらも技範囲には恵まれているので、専用Zと思わせておいての役割破壊Zを使いやすいです。ガルーラがつらいポケモンです。気合玉を習得するそうです。

 

テッカグヤ

 レベル技。平均的な種族値はUBの中では珍しいですが、それゆえにWCS2017では活躍を見せました。鋼・飛行にもかかわらず炎技や草技を習得し、それ以外の技範囲も優秀です。しかし、サポートするには技がなく、攻撃するには火力が足らず、あくまで自分で粘るポケモンという立ち位置になります。テッカグヤ程度の耐久はGSルールではさして高いものではなく、安心して使うには周囲のケアが重要です。なぜか悩みの種は覚えません。大爆発で自主退場できます。

 

アクジキング

 レベル技。まさかの吠えられない。バークアウトを使えます。HPが高いわりにBDが低く、思ったより柔らかいです。何よりフェアリー弱点が痛い。いえきを使えてグラカイは一発は受けられるので、多少は活躍できるかもしれません。

 

ツンデツンデ

 レベル技。UBの中でもかなり異質なポケモン。最終進化だけで見ればツボツボとナマコブシを除いて最も遅く、この見た目でトリックルームスキルスワップ、サイドチェンジ、重力、マジックコートを使えます。なりきりもできますが、特性が優秀なので天候を取り返すにしてもスキスワのほうがいいでしょう。 

 

 以上で「GSルール考察:ワイドガード編」を終わりたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

Atelier Online 1st(7世代GS仲間大会)

 JCSも終わり、世界大会出場権のないダブルプレイヤーは特にWCS2018ルールを頑張る必要もなくなりました。では何をしましょうか。

 

 来年のWCSに向けての練習でもしましょう。

 

 というわけで、来年(WCS2019)のルールと目されるGSルールに挑戦してみました。今回はみずこ(@swimpert_)さん主催の仲間大会”Atelier Online 1st”にお邪魔させていただきました。

 

 結論から言えば、ただのレート供給装置と化した散々な結果です。一応2回くらい勝ちました。パーティは以下の通りです。

 

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 コンセプトとしては命中安定の効果力範囲技を放てるメガサーナイトを詰めのエースとし、パーティ全体でそのお膳立てをする、という単純なものです。また、イベルタルを始めとした悪タイプを多く採用することにより、一貫性の高いタイプで安定して削りを入れることを目的としています。

 

〇個別解説(カッコ内は努力値

 

1、サーナイト

  性格:臆病

 ・実数値

  メガシンカ前:147-x-98-161-136-145

  メガシンカ後:147(28)-x-98(100)-201(124)-156(4)-167(252)

       

 パーティコンセプト。最高にクールなポケモンの一種。最速とした理由は、今作の禁伝やテテフツーに強く出られる(=よく見かける)イベルタルを上から縛るためです。また、この構築の初期段階ではルナアーラではなくジオコンゼルネを採用しており、トリックルームの代わりに自己暗示を採用していました。これにより、味方のゼルネアスからコピーするだけではなく、相手のゼルネアスからも能力変化をコピーでき、追い風下であれば積まれてからでも間に合うように、という理由もありました。ゼルネアスが抜け、ズガドーンにボコされてからトリックルームに変更したという経緯があります。しかし、パーティ全体のSラインが高く、またサーナイト程度の耐久ではトリックルームを張る余裕、タイミングが一切なかったうえに、本来はある程度戦えたはずのグラゼルネに全く勝てなくなったので再考の余地があります。サイコショックが欲しい場面が多すぎたのでサイコショックが現状は候補。守るは言わずもがな、サイコキネシスグラードンへの打点が欲しかったのでできれば外したくない技です。

 HBに関しては、特化グラードンのダブル補正断崖を確定耐えまで振りました。当然晴れ炎Pは無理です。レックウザはタイプ的には少し有利ですが、ダブル補正スキンハイボでは削り切れず、鉢巻ガリョウの場合は威嚇を入れても倒されるので、できるだけ追い風をしてから対面させたいところ。

 Cに関してはできるだけ火力を落としたくなかったので振れるだけ振り、残りの4をDに振りました。最速にした関係で特殊方面が若干薄く感じることと、調整グラードンが多い印象だったのでもう少しBまたはCからHかDに回してあげてもいいかもしれません。

 

2、ルナアーラ

 性格:控えめ

・実数値

 221(68)-x-124(116)-189(116)-128(4)-143(204)

 

 追い風要員その1。ファントムガードで大体の攻撃を一発耐えるため、そこそこ信頼できるポケモン。Sは準速90族抜き。ルナアーラZは火力補強兼叩き対策となるので採用。

 Bはファントムガード無効時にメガレックの陽気252ガリョウが57.4~67.8%となり、一度削れてからでももう一度動ける程度の耐久と判断しました。

CはZでH振りのグラードンが中乱数(62.5%)。基本的にはコケコやヤミラミといった一般ポケモンを飛ばす役割を取った方が確実で良いと感じました。ヤミラミはメガでない限り確定。Dは余り。

 ワイドガードと追い風を両立できる数少ないポケモン。他には(メガ)プテラマンタインペリッパードーブル)が可能。この中で候補となりえたのはプテラマンタインですが、パーティにおいて電気の一貫性が高く、二体目の追い風枠であるイベルタルが電気弱点なことを鑑みて今回は見送りました。守るは特性をつぶすためによく狙われるのでおそらく必須。体感的に噛み砕くガルーラが多い印象でしたが、どう考えてもルナアーラメタなのでこちらから一切突破手段のないメガガルーラは最悪のクソです。

 

3、イベルタル

 性格:臆病

・実数値

 221(156)-x-135(4)-164(100)-125(52)-158(196)

 

 追い風要員その2。4倍弱点がなく、メガガル並みの耐久があるのでこちらもそこそこ信頼できるポケモンです。ランドロスが一定数いるので最速91族抜き。特にテテフやゼルネアスの前で強気に動かすためにロゼルを採用してみました。

 HDは臆病コケコのEF10万が確定耐え。臆病252ゼルネのC+2ムーンフォースを木の実込みで低乱数耐え。マジシャを打たれるのがだいたいなことと、耐久に回されていることが多いのでほぼ耐えると思っていいと思います。Cは振れるだけ振り、Bは余りです。

 イカサマについて、ガオガエンで威嚇を撒くのに相性が悪いのですが、カイオーガへのダメージが見込めると思い、採用していました。多分悪波でいいです。怯みも狙えますし。また、持ち物ですが、悪波にしてアクZにするのも一つの手だと思っています。「一貫性の高いタイプで等倍で削っていく」というコンセプトなので、技威力が低いという悪タイプの欠点を補うのにはうってつけだからです。

 

4、キリキザン

 性格:意地っ張り

・実数値

 141(4)-194(252)-120-x-90-158(252)

 

 威嚇を牽制する枠であり、オーラ不意打ちで縛っていく役割も持ちます。襷を持たせているので特に調整などは考えずにASぶっぱ、気持ち奇数調整のHに4振りです。不意打ちの火力を高めるために陽気ではなく意地で採用。一応、陽気だとA実数値が奇数になり、負けん気によるA+1の時に若干の損が出ます。叩き落とすを持たせることによって一般枠の持ち物を判定しつつ大ダメージを狙えます。ただし、鉢巻レックに対しては、ガリョウを打っていないとオーラ叩きでも落としきれないので、叩きを打つよりアイヘか不意打ちで削り、神速を打たせずに縛る方がいいかもしれません。鉢巻レックに強い恨みがある人は叩きの代わりに追い打ちを採用するのも一考かと思います。

 猫だましなどで襷を潰されないための守る。ファストガードを覚えますが優先度が猫だましと同じなので基本的に無意味です。

 ゼルネアス対策の鋼枠でしたが、ゼルネアスを一撃で落とせず、上からも縛れず、正直なところいまいちでした。ゼルネアス対策に特化してよいのなら、意地精神力に鋼Zを持たせることで猫だましサポートを無視しつつHB特化ゼルネすら中乱数で突破できます。威嚇が怖くなりますが、負けん気のはったりで初手では威嚇を呼びにくいはずです。汎用性ゼロなのが問題ですが。

 

5、ガオガエン

 性格:意地っ張り

・実数値

 201(244)-146(88)-115(36)-x-136(108)-84(28)

 

 猫威嚇枠。サーナイトの保護者。 GSでも勢いの衰えないやべーやつ。立つなと願われて立った猫。親の顔より見た威嚇。ヘルガーは強い。

 Sラインは追い風下で最速100族抜きなんですが、聞いたところによると最遅90族-1という激戦区らしいですね。とはいえグラードンに対して確実に後攻蜻蛉できるのはありがたい話です。

 HBは威嚇込みで特化グラードンのダブル補正断崖確定耐え、HDは特化グラードンの大地確定耐えです。ジオコン後のダブル補正マジシャも耐えます。イトケを持たせると特化カイオーガの雨根源も耐えてくれます。参考までに。

 持ち物は場持ちを考えて混乱実。甘えた先制技やバークアウトに受け出しして回復を狙えるので、大切に扱ってやれば何度でも繰り出せます。上記のイトケは汎用性を考えて見送り。チョッキは特殊方面の被ダメージを減らせますが、木の実なら物理面の耐久も疑似的に上げられること、後述のレヒレに持たせてやりたかったので見送りました。

 叩きではなくDDな理由は、キリキザンに叩きを持たせていること、禁伝相手にダメージを与えたかったので平均的な威力の高い方を選択しました。イベルタルのところでも書きましたが、ダメージをより重要視するならガエンZを持たせてあげるのもアリだと思います。

 

6、カプ・レヒレ

 性格:控えめ

・実数値

 177(252)-x-183(252)-115-150-106(4)

 

 推しカプ。フルアタでありながらパーティ内で最もサポート寄りのポケモン

 チョッキレヒレはGS環境の考察し始めて一番初めに考えた型の一つです。自然の怒りにより、火力に振らなくてもダメージを稼げること、凍える風によるS操作、テテフやコケコのフィールドを張り替えることができることなど、重要な要素を兼ね備えていると個人的に思っています。チョッキでなければ黒い霧なんかも使えるので、耐性もいいですし、サポーターとして充分なポテンシャルを持つと思います。何より後ろから投げるだけで状態異常対策ができるのはかなり便利です。ダークホールこそなくなりましたが、胞子やすりすりは依然健在ですので。

 自分のパーティではキリキザンの不意打ちやガオガエンの猫だましで状況を操作することが多いため、テテフ以外のカプ系は必須でした。HBにした理由は、火力に振っても大したダメージを見込めないこと、グラードンレックウザの攻撃を最低一度は耐えるためです。当初は図太いで考えていましたが、そこまで耐久に回しても大して変わらず(鉢巻ガリョウを確定耐えにしたいなら図太い)、相手のガオガエンを少しでも早く処理したいため、控えめで運用することにしました。Sに振った理由は、4振りの影響が最も大きく出る場所に振りたかったからです。

 自然の怒りは誰にでもとりあえず大きなダメージを与えられる優秀な技なので採用。ガオガエンを処理したいので熱湯。S操作をしたいので凍える風。カイオーガを受けつつ倒すために草結び。ムーンフォースはダメージが見込めず、フェアリー技はサーナイトが担ってくれるので不採用としました。

 もともと高い特殊耐久を持つポケモンですが、チョッキを持たせることで特化カイオーガのダブル補正雨潮吹きが3割強に抑えられます。入りすぎですね。

 基本は自然の怒りと凍える風でお膳立てをし、裏のポケモンたちに後片付けをお願いするポケモンです。あとはガオガエンにお湯をかけたりグラカイを転ばせたりする程度です。

 

以上が今回の構築となります。ついでなので、この構築に至るまでに試したポケモンも軽く書いておきます。数字は採用順です。

 

ⅰ、ゼルネアス

 技構成はスタンダードなジオコンゼルネアス。同族意識の最速。サーナイトのスキンハイボを強化し、暗示元となってさらにサーナイトを強化する存在でしたが、いかんせん鋼やグラードンが重すぎて同時選出ができずにコンセプトから外れてしまい、ルナアーラと交代。

 

ⅱ、カプ・コケコ

 カイオーガに強いポケモンとして採用しましたが、パーティ全体できついグラードンが結局きついので外れました。一応挑発枠も担ってました。

 

ⅲ、カプ・テテフ

 挑発枠兼ナットガエン処理装置として採用。気合玉Zでサイコフィールド上でありながら多数のガオガエンに不意打ちを決められます。サーナイトの火力補強もできますが、ガオガエンキリキザンとアンチシナジーなこと、技範囲、弱点被りを嫌って外れました。

 

ⅳ、メガルカリオ

 ルナゼルネ構築に入っていたと聞いて拝借。ASで使ってましたが本家はどうなんでしょう。威嚇を貰ってもガオガエンを確定で倒せて、ガルーラより速いという優秀なポケモン。フィールドを奪い返せないのでテテフが重くなり、コメパンを外したので残念ですがさようなら。

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。以上で、"Atelier Online 1st"の構築記事を終わりたいと思います。

 GS初心者の個人的な見解ですが、GS環境ではグラカイによって水と炎が使いにくく、またレックウザによって飛行タイプの弱点(電気、氷、岩)もいまいち通りが信頼できないため、これらの影響が少ないタイプが普段のダブルバトルより重要度が増してくると思います。フェアリー+悪(+ゴースト)の技範囲は非常に優秀で、パーティのタイプを偏らせてでも多めに採用する価値はあると思います。ネックなのは、実質的にフェアリータイプしか範囲技を持たないことですが、素晴らしいことに、あの強力なゼルネアスよりCもSもある優秀なフェアリータイプのポケモンが一般枠でいるそうです。メガサーナイトって言うんですけど。

 

Atelier Online 1st ~7th GS Battle~

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